マダイの養殖いけすで、魚粉の代わりに昆虫の粉末を餌に使う実験が愛媛県宇和島市で進んでいる。
地球規模で人口が増え続け、将来的に食料不足が心配される。そんな中、注目されるのが養殖業だ。しかし、餌になる魚粉はペルー沖などで取れるカタクチイワシで、餌の主原料が魚粉では「魚を魚で育てる」状態。人間の食べ物と重なることは、持続可能性の面で課題になる。
愛媛大学大学院農学研究科の三浦猛教授は2008年に養殖の餌の研究を始め、イエバエに注目した。カタクチイワシのように魚と人間が「取り合い」にはならないからだ。
しかし、イエバエは家畜の排泄(はいせつ)物を食べて育つ。「ウジ虫」だけにイメージが悪い。排泄物には抗生物質が含まれる場合があるなど、家畜が食べる餌から管理するのは大きなコストになる。
たんぱく質やビタミン、ミネラルの量は変わらない
そこで研究を始めたのがミー…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル